木喰上人の私感

享保3年(1718)甲斐國西八代郡古關村丸畑の伊藤六兵衛の二男として生まれる。

文化5年(1808)91歳の時、長野 善光寺阿弥陀如来図を書し、

辞世の詩 

  木喰も いずくのはての 行きだおれ いぬか からすの ゑじきなりけり

行方知らずの旅に

 

 後に、木喰上人の弟子 白道が書く『四國堂心願鏡』には、

   文化八酉(1811)12月24日 甲州 鳥澤宿にて歿とある。

各地に多くの「美笑佛」を今に残している。

 上人の詩を紹介します。

  山住の 衣や袈裟は 破れても わが本願は やぶれざりける

 

  法身の道を通りて ながむれば 涙の中に なみあみだ佛

 

  わが心にごせば濁る すめば清む 清むの濁るも心なりけり

 

  人は唯 じゆう自在の わが心 ぜんあくともに 悟れ人よ

 

  懺悔せば心の罪は消え失せて菩薩も同じ心なりけり

 

  まんまると まるくおさまれ まんまると

 

  猛烈な勢いで一刀彫りの仏像を各地2000体近くを彫り

  この世を さりげなく去ったようにも見えるが いちがいには

  木喰上人の生き様に、とりこになられた『柳 宗悦』という人は

  「上人の匿れたる加護を感謝する」と大正14年洛東神樂丘にて宣べらるる。

 

   小私も、その末端にて、あの「ほほえみ ほとけ」の笑顔に救われる。

  ブッダ=悟りある者=佛(ぶつ)=佛(日本ではこれを「ほとけ」)

  くくらない 総てに「ほどける時」が皆様にもありますよう 私にも